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文字書 Ver.3.0

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フィルマークスから転載

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コンパートメントno.6
https://comp6film.com/





recriという、アート系をお勧めしてくれるサブスクがありましてね。
自分の好みをあらかじめ登録すると、映画や舞台や展覧会のチケットを送ってくれるというサービス。AIとコンシェルジュが選定してくれるらしいです。そこで送られてきたのがこちらでした。

ノーチェックだったし、上映館も少ないので自力では絶対行かなかった。

結果的には行ってよかった。
うん好きです。
いわゆる「わかりやすい」映画ではないので、賛否両論もあると思います。


留学生と、労働者という、おそらく最初から素地が違う。
生まれた国も違う二人。

ひとりは少なくともロシア側からみると、小国。
でもロシアに留学できてるので、生まれはわりとアカデミックな環境だと推測される。
ただ冒頭部分で、留学先の人たちと決して打ち解けてないのだろうなっていう場面がある。発音のこととか。
「俺たちの文化をよく学べよ」みたいな、かすかに揶揄を含んでいるような描写がある。
うっすらとして優越感とういうか。
で、そんな彼女のよりどころの恋人(同性)がいるんですが、その人も既に自分に興味が無くなっていて、それを肌で感じていて、孤独なんだろうなっていう描写が見えました。

で、寝台車で出会った男も、当然のようにロシア人で、彼も最初は酔ってて粗野な行動で主人公を辟易とさせます。
出会ってすぐに売春婦か?とか聞いてくる。
そりゃ主人公も無理!って思う。
でもよくみると、この男、自分勝手なようでいて、主人公が外国人と知ると(偶然かもしれないが)、少ししゃべり方をゆっくりにしたり、分かりやすい言葉に変えたりとか、決して横柄ではない。

女性や自分より発展途上の出身とみると途端に横柄になって人間扱いしてこない人っているじゃないですか。
そういうことがない。
いや、粗野なんだけどね。

で、色々あって途中停車した町で、男(リョーハ)が訪ねるという老婦人のもとに一緒に行くふたり。最初は行く行かないで問答があったり、主人公は構ってほしくなくて邪険にしたりするんですが、根負けする形で同行する。
老夫人がリョーハにとってどういう存在なのかとか、そういう説明は一切ないのですが、起こった出来事だけ見ると「若い男が、旅の途中でわざわざ老婦人のことろに様子を見に行く」てことで、これだけ切り取っても、男が決して粗野なだけでha
ないという性格が垣間見えます。
(でも多分車は盗難車/笑 いいところだけじゃなく、駄目なところも混在している存在として描いている)

その後、主人公と同じフィンランド人と同乗したり、いい感じになったのに……と、ストーリーは劇的に変わることなく淡々と進みます。
が、町についてからのリョーハの行動が「おおお」という感じ。

同じ寝台車に乗り合わせただけの相手に対して、すごく心を砕いてるんだなっていうのが伝わりました。
北極圏の極寒で、天気も最悪なんですが、リョーハに再会できたところからじわじわと……温かいんですよ。
画面はすごい吹雪で、二人しかいなくて寂しい絵面なんですが、ふたりはすごく楽しいんだろうなって感じます。


ラストは、またこれも淡々として終わってしまうのですが、そこがまたリアルで良かった。
最後のリョーハの汚い字で書かれた一言が効いてます。

彼は、彼女の国の言葉で思いを伝えたってことですよね。
主人公の泣き笑い?かな。
それがすごく良かった。
この最果ての北極圏で、初めて彼女が自己や世界を肯定できたんだなぁと。

音楽も懐かしくて良かったです。
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