2023年9月
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あたかも祭りの日の朝に
さればこそ、天なる炎をいま、 地の子らは危うさもなく飲むのだ―― ガタン、ドサドサッ! 大きな音が、ハウルから眠りを奪った...
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memento mori -メメント・モリ-
「お守りになさい」 その言葉は貴女を強くする。 そう教えてもらった。 一言だけのフレーズ。 意味は分からなかったけれど、響...
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鱗粉
どんなものにも終わりは来る。自明の理だ。だが、その建造物は自分の終わりをまだ信じていない。 そんな風情でそこに建っていた。 ...
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coffee
こんな世界は嫌いです。 ずっと、嫌いだった。 なぜ、父が戦地に行くのか。 なぜ、母が薬ひとつ飲めないのか。 なぜ、弟が空...
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音読 -おんどく-
かすかな音がして、まどろんでいた世界から呼び戻された。 ぼんやりとした意識の中で何度か瞼を瞬かせながら音の先を確かめる。 外...
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道行き
夜半から降った雪は、明け方には消えた。 吹雪の中を往くよりはいくぶんマシだが、お世辞にもツイているとは言い難い。なにせこう道が...






