黄昏
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エリカ・ムスターマンの死 08
夕方になる少し前に最寄りの停留所に着いた。トラムを降りたのはエリカひとりだけだ。この時間ならまだ勤め人も帰ってこない。 トラム...
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閉ざされた日記
その「日記」には、かつて鍵がかかっていた――そんな形跡があった。 南京錠を通すための取り付け金具が付いた表紙。だが錠は無かった...
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エリカ・ムスターマンの死 07
大通りまでの道を歩いていると、近くの鐘楼の時計が正午を知らせた。次の約束の時間だ。完全に遅刻だった。 次の約束は「隠れ家D」で...
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エリカ・ムスターマンの死 06
エリカと名乗った女性は、頭から下ろした帽子を丁寧に脇へ置いてから髪を整える。どこか所在なさげな様子だった。相変わらず少し下を向い...
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エリカ・ムスターマンの死 05
その店は、市役所がある大通りから数本裏手の通りにあった。 通りの両側は背の高い建物がそびえるように建っていて、昼間でも少し暗い...
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エリカ・ムスターマンの死 04
市役所の昼休みは正午から十三時までと決まっている。 一階の市民窓口課はきっちりその時間には全員無人になり、ロビーの電気も消され...


