午後は眠気との戦いだ。
そっと下を向いて、教科書を熟読するふりをしてあくびをかみ殺した。
階段状の教室はどこに座っていても教師から丸見えだ。教師が背を向けた隙を狙ってこっそりと伸びをしたり、太ももをつねったりしてなんとか睡魔と別れようとする……が、うまくいかなった。
やべえ、マジで眠い。
寮の規則通りに就寝しているのに、今日はやけに眠かった。
まあ、理由はわかっている。昼飯を食べ過ぎたからだ。
午前中のテストで満点を取ったので、たまには自分へのご褒美にと学食で人気のラムチョップにした。柔らかな肉がほろほろと溶けて、思わず満腹になるまで食べてしまった。
結果、非常に眠い。
しかも午後一の授業は歴史だ。得意科目だし、歴史は好きだが、如何せん登場人物が愚かすぎると思った。
歴史に学び、歴史から未来を作れと教師は言うが、有史以来延々と同じことを繰り返している愚者共から何を学べというのか。
それに予習でこの辺の単元は終えてしまった。つまらない、集中できない、よって眠い。
とはいえ、授業はちゃんとせねば。
さて、どうしたもんか。
膝を抓ったりしながら必死に眠気と闘っていると、ひとつ下の段の生徒も舟を漕いでいた。
何故かいつもそこにいる奴だ。気がつけばいつも目に入る。
席が近いからだろう。
『お、き、て!』
「んあ?」
隣のいつも一緒にいるツインテールが小さい声で起こそうとしている。だが、本人はそんなことはお構いなくといった風情でゆらゆらしている。
その途端、「アーニャ·フォージャー‼」と教壇から怒声が飛んだ。
「はい! げんきです‼」
名を呼ばれた生徒が勢いよく立ち上がり、教室がどっと湧き上がった。
……しょうもな。
たが、笑ったおかげで一気に目が覚めた。
ありがたい。アホだが。
怒られてしおしおと小さく座るその背中を、鉛筆の背でグリグリとつつく。
「ばーか」
「うるさい」
「寝てるヒマあんのかよ。万年最下位のくせに」
「ねてないし、びりじゃない」
「どっちも嘘だな」
「アーニャ・フォージャー! ダミアン・デスモンド! 立っていたまえ!」
はあ? なんでオレ様が!
しぶしぶ立ち上がると、一緒に立った前の生徒も立ち上がってこちらに振り返る。
「おまえが大声で出すから!」
小声で文句を言うと、「すまん。でもありがと。もうねむいのなくなった」と少女はあっさり謝罪した。
「おお、おう……」
その笑顔に毒気を抜かる。
「でもこれだけいわせろ」
ばーか!
[お題]s/fさんには「午後は眠気との戦いだ」で始まり、「いつもそこには君がいた」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば6ツイート(840字程度)でお願いします。
[出典]https://shindanmaker.com/801664
[文字数]915字
Last Updated on 2025-07-12 by ashika







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